まだ生きてます。



 こんなに更新の間隔が空いたのは初めてかも。死んだと思われているかもしれないので、たまには何か書いておきます。
 4月24日の清志郎のライヴの感想は既に書いた通り。実はその後ShelterでPEALOUTのライヴを見ているし、29日には横浜でギターウルフのビリーさん追悼ライヴも見ているので、ネタとしては他にも書いておきたいことがあったのですが、この半月ばかりは新しい仕事に忙殺されていて…。その合間を縫ってライヴを見ていたので、日記までは手が回らなかったのです。
 新しい仕事というのはヤフオクで中古のビデオ(主に成人男性が喜ぶ類のやつね)を販売することで、やってみるとこれがまあ、大変。3月で前の会社を辞めたものの、歳も歳なので別の会社に就職なんてほぼ絶望的だろし、働きたいと思う会社も無いので、自営を始めるしか選択肢は無かったわけ。どの分野に参入しようか一応は考えたのですが、私は音楽以外にこれといった趣味を持たないし、音楽以外の業種についての知識も乏しいときている。手っ取り早く法を犯さない範囲で、なおかつ小資本で知識があまり無くても参入できる商売として思いついたのは「やっぱりエロだろう」と。決して楽をしようと思ったわけではないのだけれど、本当にこれしか思いつかなかったのです。実際は他にも2つほどプランはあったのものの、資金不足で断念。3月で会社を辞めることを決意した去年の11月ぐらいから、潰れたレンタル店の在庫放出品などを少しずつ買い集めて、溜まった在庫がざっと2000本。家の中はビデオの入った段ボール箱で占領されています。
 それを今少しずつ出品しています。これが売れないことには私は家賃も払えなくなるので真剣に取り組んでいますとも(笑)。それにしても在庫をリストアップして、パッケージをスキャンして、ヤフオクに出して、落札されたら落札者と連絡を取って、入金が確認されたら梱包して発送と、一連の作業に1日あたり12〜14時間ほどかかってしまう。まるで『PRESENCE』制作時のジミー・ペイジのように働いています。一方ではハードロックの名盤が出来上がり、一方では世の殿方を喜ばせるという違いはあるものの、労働時間だけ比較すれば匹敵しています。あと巨万の富を生んだか、原価割れを起こして青ざめているかということも違うか。
 ヤフオクには新規IDで販売を開始したので、最初の1週間ほどは本当に入札が無くて、1円スタートの出品がそのままバンバン落札されていきましたよ。この時はどうしようかと思ったね。しかし1週間を過ぎた頃から評価が付きはじめ(アダルト品が多いので評価を残したくない人が大半で、実際評価してくれるのは1割以下だけど)、やっと入札が増えてきてオークションらしい展開が生まれつつあります。それでも今月末に家賃が払えるかどうかまだ分からない。
 私が会社を辞めた時、「これからはライター1本でやっていくの?」と聞いてくれた方が何人かいましたが、とんでもない。音楽ライターなんて商売としては全然割に合いません。月に50ページぐらい書けば生活はしていけるかもしれないけれど、私の能力ではそんなに仕事があるはずもないし。今年に入ってからはbeatleg誌でレヴューを月に2〜3点書いている以外は全くライターの仕事をしていないので、事実上廃業したも同然です。
 ただほとんど1日中家の中で作業をしているのでCDは山のように聴ける。1日に平気で10枚以上消化できるのは今の生活の中で数少ない楽しみです。もう何年も聴いてなくて、もしかしたら生きてる内に聴く機会は二度と無いかもと思っていたようなアルバムも聴けてしまう。昨日なんかブルース・スプリングスティーンの『青春の叫び』と『闇に吠える街』を聴いちゃったもんね。こんなのは記憶する限りここ10年は聴いてなかった。久しぶりに聴いたから実に新鮮で、盛り上がる盛り上がる。「ロザリータ」とか歌っちゃうし。あんまり気持ちよかったので、2枚とも3回ずつ繰り返しかけてしまいました。
 そんなわけでハードではあるけれども、結構気ままに私は生活しています。この状態がいつまで続くのかは私自身も分からない。ビデオ販売を今後も生業とするつもりもなくて、次の商売の目処が立つまでのつなぎとして考えています。その前に首が回らなくなることがないようにと願いつつ。