k_turner2005-04-11



「反日」拡大、広東省で3万人デモ…邦人殴られる
中国で反日デモ拡大、広州や深センで1万人超す・不買運動に懸念
中国外務省、日本の謝罪・賠償要求に「責任無い」
石原東京都知事、日中両政府を批判
「愛国心教育を」8割 内閣府調査 悪化「治安」トップ
北京は沈静化、南部は騒然 中国・反日デモ
中国、ネット情報規制? 日本大使館警備縮小 デモ再燃なお警戒


 探せば他にも山のように関連記事は出てくるのだが、とりあえず気になったのだけ。一番最後のは産経、その前のは朝日が伝えた記事であることを念頭に置いて読んでいただきたい。現地に行ったわけではないから、真実なんて分からない。また日本のメディアが日本語で伝える情報は何らかの恣意性によってチョイスされたものだと思って聞いておく必要がある。
 私は昔から「国辱」という言葉が理解できない。国が恥をかいたからといって何だと言うのだ。時としてその言葉が自分個人の恥より甚大な事態であるかのように使われることがあることに至っては「アホか」としか思えない。
 ナショナリズムなんてどれほどの価値があるのか。別に国家でなくても会社でも学校でも教団でも班でもチームでも何でも良いのだが、組織に依存することで個人が救済されたためしなど歴史上一度だってあっただろうか。日本人選手の活躍しか伝えないメジャーリーグ情報は胸糞悪いし、南洋で地震が起きたときに日本人の安否だけを真っ先に伝えるニュースも吐き気がする。
 報復の報復の報復の報復の報復の報復の報復の報復…。人類の歴史は過ちの連続だ。マーヴィン・ゲイを聴けばこの荒んだ気持ちが少しは抑えられるかと思ったが、よく考えたら私には信仰心が無いのだった。「God Is Love」と歌われても全く救われない私はどうすれば良いのでしょう。
 話がそれた。中国の人にこれだけは言っておきたい。日本が経済的に中国より優位に立っているのはせいぜいここ100年ぐらいのことだ。この状況が続くのは後100年、下手すれば50年ぐらいかもしれない。その後は19世紀までのように経済的にも文化的にも日本は劣勢に置かれるだろう。暴力など行使しなくても勝手に落ちぶれていくから安心して欲しい。

  最近の作品は実存主義的な傾向を強めていますね。

 「人生については極めて悲観的だ。芸術が人間の持つ悲惨さを埋め合わせるとは思わない。人間の運命とは達成した結果と無関係で、全く嫌になる。あなたの人生にも意味など無い。死ねば永遠に消えるだけ。病死かもしれないし、老衰かもしれない。愛する人も死ぬ。いずれ宇宙そのものも消えて無くなり、シェークスピアもベートーベンもレンブラントも消える。歓喜や愛、芸術的な達成感の瞬間をいくら積み上げても、長い長い暗黒の時に匹敵するはずもない」

  それでも、映画の中のコメディーやユーモアは癒やしになるのでは。

 「脚本を書いてキャストを決め、撮影する映画制作は頭痛の種ばかり。ささいなことが気になる。だからこそ、不愉快なことだらけの実存から、関心の焦点を外す気晴らしになるのさ」
                               ウディ・アレン