メガネおやじに縁があるなあ



 17日青山CAYでのスティーヴ・ナイーヴのソロ公演をもって、一連のエルヴィス・コステロ関連行事は終了。私はエルヴィスの東京3回と名古屋、東京のスティーヴ・ソロ、高円寺のイベントと、足を運んだのは6回のみに留まったものの、通勤もしつつ、beatleg掲載の原稿も書きつつだったので、なかなかハードな2週間であった。
 ライヴの追っかけレポートは96年にもやったことがあって、今回はそれに再度挑戦してやろうと思っていたのだ。東京の会場が96年と同じ新宿厚生年金だったことも関係あるかもしれない。あの時も東京と名古屋で計5回を見て、大阪と福岡には行けなかった点も共通している。96年以降エルヴィスは何度も来日して、その都度見に行っているが、ライヴは見てもレポートは投げ出したままということが多く、今年のツアーで久しぶりに意欲が湧いたのは、96年と似通った点が多かったからなのかなと今になって思う。
 共通点は多いとはいえ、既に8年が経過している。あの時と違うのは発表の場がニフティーサーヴのパソコン通信から、雑誌へと変わったこと。それから私の年齢が20代の終わりから30代の後半になったということだ。
 96年は私にとってのネット元年でもあって、インターネット上では、特に国内ではまだアクティヴなページも少なかったのだが、パソコン通信は全盛からピークをやや過ぎようとしていた頃だった。当時のパソコン通信は、大手のニフティでも登録者が150万人ぐらいしかおらず、今のネット人口の10%以下だった。ただし数が少ない分、またある程度の教育水準があり、年齢も20歳以上の人が大半だったことも関係あると思うが、能動的かつ常識的なユーザーが多かった。それ故当時のニフティの会議室は濃い発言が連日やり取りされており、大変面白いものだった。そういう場があったことと、印刷されて発行されるまで1ヶ月近くかかる雑誌では絶対真似できないことをやってみたいという欲求が合致した結果が、96年ツアーの連日レポートという形になった。
 東京で行われた4回のライヴを見に行っては、急いで帰宅し、その日のセットリストとともに感想文をニフティの会議室にアップ。最終日だった名古屋公演も翌日午後には同じことができた。今となっては私もその時のログを残していないので、内容は分からない。多分今見れば稚拙なものだったとは思うが、それなりに反響はあったし、自分なりの達成感もあったと記憶している。
 今やブログが全盛で、検索をかけると今回のエルヴィスのライヴについて書いているページもたくさん見つかる。ayakoさんのページを筆頭に、熱意と誠意の感じられるものも少なくない。8年前に同じようなことをやっていた者としてはシンパシーを感じないと言えば嘘になる。しかし、これが私の性格の表れなのか、こうブログが溢れ返ると逆のことがやりたくなるのだなあ。今回自分でもこういうページを持ちながら、あえて雑誌にレポートを掲載したいと思ったのはそういう事情がある。
 情報の鮮度では雑誌は絶対にブログには敵わない。では雑誌はメディアとしてブログに劣るのかと言えば、私はそうは思わない。紙媒体のメリットとして、ネット上に流れるデジタル信号よりは形が残りやすいことがまずひとつ。ネット上のログは半年前のものでも検索することは難しいが、雑誌なら数年前のものでも本棚からすぐに取り出せる。
 もうひとつには情報の責任の所在が明らかである。どこの誰が書いて、版元はどこなのか、明らかにされて世に出る以上、いい加減なことは書けない。ブログでならごく個人的な印象論を展開したって何の問題も無い。根拠のよく分からない言い掛かりに近い内容であっても、ブログ上の文章であれば成立してしまう。しかし雑誌でそれをやってしまったらお金を払って読む人はいないだろう。念のために言っておくが、ブログ上のあらゆる文章がその手のものだと言っているのではない。また、市販されている雑誌でも残念ながらその程度の文章を掲載している例はある。ライヴのレポートと言っても実況中継しているだけでは読み応えが無いし、根拠ある考察を交えてバランス良く書かないことには雑誌媒体での掲載の意味は乏しい。熱心なファンが検索して辿り着くブログとは違って、特にファンではない人が読む可能性も考慮した内容にもしなければならない。また情報の正確性については言うまでもない。
 ここまで書いてみて、自分で自分の首を絞めているような気がしないでもないのだが、私が書いた今回のツアー・レポートはそのハードルを越えていると自負している。それが事実かどうかは読んだ人の判断に委ねます。エルヴィス日本ツアー・レポ前編は29日発売、後編は2月1日発売予定のbeatleg誌にてどうぞ。


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 このウディ・アレン コレクションBOXは見つけた瞬間オーダーしてしまった。2年ほど前に発売された時から欲しかったのだが、「インテリア」「マンハッタン」などDVDで見直すほどでもない作品が含まれていたせいで、2万円超の価格に躊躇していたのだ。しかし50%も値引きされてはそうも言ってられない。私が持っている「アニー・ホール」のビデオは、10年以上前に購入したもので、既に20回は見ているので画質も劣化してきている。これからはDVDで荒れた絵を見ずに楽しめるのかと思うと、到着が待ち遠しい。
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