絶賛来日中 明日はいよいよ東京最終日

k_turner2004-12-13



 昨夜の福岡公演のセットリストが、早くもこちらに。

2004-12-12: Fukuoka, Zepp
Elvis Costello with the Imposters

1.Blue Chair
2.Tear Off Your Own Head (It's A Doll Revolution)
3.Next Time 'Round
4.Beyond Belief
5.Radio Radio
6.Button My Lip
7.Country Darkness
8.In Another Room
9.Brilliant Mistake
10.Either Side Of The Same Town
11.(I Don't Want To Go To) Chelsea
12.Green Shirt
13.Heart Shaped Bruise
14.Suit Of Lights
15.No Wonder
16.You Turned To Me
17.When I Was Cruel No. 2
18.Watching The Detectives
19.The Judgement
20.Temptation
21.High Fidelity
22.Uncomplicated
23.The Delivery Man
24.Monkey To Man
25.Bedlam
26.Nothing Clings Like Ivy
27.Sulky Girl
Encore 1
28.There's A Story In Your Voice
29.Oliver's Army
30.(What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding?
31.Pump It Up
32.Hidden Charms
33.The Monkey
34.Alison/Suspicious Minds

 すげーよ、これ。とうとう日本でも30曲オーヴァーの日が出たよ。聞くところによると、動員が悪かったようで、急遽1階フロアに椅子が並べられ、スタンディング形式でのライヴにはならなかったらしい。しかし少ないながらも観客の反応は上々で、気を良くしたエルヴィスは調子に乗ってしまい、気がついたらこれだけの曲を演奏していたのだとか。
 嗚呼、福岡行きたかったな…。
 8曲目の「In Another Room」は日本初登場となるはず。そもそもこんな曲は私は知らない。もしかしてダイアナ・クラールの最新作収録曲「The Girl In The Other Room 」のことか?と思ったのだが、調べてみたら今年4月3日のライヴでも同タイトルの曲を演奏していた。会場はミシシッピ州オックスフォード。そう、『The Delivery Man』がレコーディングされた場所である。アルバムの制作と前後して行われたこの日のライヴでは、他にも未発表曲が演奏されている。『The Delivery Man』には実は収録されなかったアウトテイクが何曲かあるらしく、「In Another Room」もそのひとつなのかもしれない。
 他にも「Green Shirt」「Alison/Suspicious Minds 」が日本初登場だ。先生、まだまだ隠し玉を用意してそうだ。2002年のツアーの時みたいに、東京最終日は通常のセットリストを全面的に入れ替えなんてこともやりかねない。エルヴィスは複数回見に来る客のことを意識しているからね。東京で3回目のライヴとなれば、8、9日とは違ったものになるでしょう。ただし、そのためにはエルヴィスを挑発してワルノリさせるべく、観客が大いに盛り上げないと。エルヴィス・コステロと言えども人の子。反応の鈍い客の前ではやる気が殺がれるというものだ。明日見に行く皆さん、盛り上がりましょうねえ。目指せ!福岡以上。
朝日新聞夕刊に9日公演のレヴュー
 書き手は音楽評論家、小野島大。サブタイトルは「シンプルなロックに信念凝縮」と付けられている。

(前略)ただいい曲を歌い、演奏すればそれは最上のエンターテイメントになるのだという、頑固なまでの信念と、強烈な自信が感じられた。

 うーむ、「頑固」ねぇ…。「信念」ねぇ…。それは小野島先生がそうお感じになったのだから全然構わないのだけれど、この人はデビュー当時から虚飾を排除していたし、頑固で信念の持ち主だからなあ。何しろファースト・アルバムは『My Aim Is True』だよ。エルヴィスの頑固さは今に始まった話ではないのだ。ただ、

照明もこれ以上ないほど簡素である。おまけに音量もかなり控えめ。

の箇所は、あ〜あ、言われちゃったよという感じ。私は内緒にしていたのに。「内緒」という言い方は正確ではないな。その理由が判然としなかったので、触れずにいたのだ。過去のライヴではそれなりに照明にも凝っていたし、音量に関しても、94年の武道館などは私が見た様々なアーティストの武道館公演の中でも最もでかい音で鳴らしていた。屋根が吹っ飛ぶのではないかと思う爆音でのライヴだったのだ。それが今回のツアーは照明にしろ、音量にしろ、かなり控えめで、必要最小限以下ではないかと思えるほど質素なのは何故なのだろうと、ずっと考えている。
 まだ答えは出ていないが、恐らくは「ぶっ殺してやる」とわめき散らすよりも、「首をへし折ってやるぞ」と耳元で囁かれる方が、表現として凄みがあることをエルヴィスは知っているからではないかと。つまり50になっても怒りや苛立ちを表現しなければならないという現実は消えない以上、若い頃とは違う手段を選ぶ必要があると感じているが故なのではないかと私は考えている。まだ結論とするには早計かとも思っているけど。