著作権の過度な保護はかえって収入減を招く
 情報ネットワーク法学会第4回研究大会なる会合にて、情報セキュリティ大学院大学の林紘一郎副学長(慶應義塾大学客員教授)なる先生が行った講演より。

著作権の保護をあまりにもゆるめると無断コピーのために利益が上がりにくくなる一方で、保護をあまりにも強めすぎると今度はその保護に必要なコストが増大することやユーザーの利便性を損なうことが原因でやはり利益が得られなくなってしまうことを説明した。また、似たような例として「P2Pへの過度の規制は禁酒法と同じ事態を招く」という米RealNetworksのロブ・グレイザーCEOの言葉を引用し、ユーザーにとって利用しやすい著作権保護の方法を考えることの重要性を訴えた。
(中略)
林氏は最後に「P2Pネットワークを違法コピーのためだけに使うのであれば、それはコミュニケートの原点を外れた行為」だと述べた上で、「P2Pはもっと大きな地平を確保できる技術であり、P2Pを敵視している人たちには『そうかっかとしなさんな』と言いたい」と語った。

 全くの私見であって全てのP2Pユーザーが同じ考えだとは思わないが、例えば私もP2Pの恩恵を被っている一人であって、時々大きな声では言えない音源などをダウンロードさせてもらっている。ただし、私が落としているのは専らライヴなどの非公式音源であって、従来ならばブートレッグとして流通していた類のものだ。これだってアーティストの権利は立派に侵害しているのだが、非公式音源にまで手を出したくなるようなアーティストに関しては、オフィシャルに発売された音源はとっくに購入して聴いているのだ。それでも飽き足らないから非公式な音源にまで手を出してしまう。オフィシャルに発売されているものは買って聴くし、買うだけの金が無いなら聴かない。ネット上にはオフィシャルにリリースされた音源が出回っているのも知っているが、私はそういうものまで落とそうとは思わない。盗人猛々しく聞こえるかもしれないが。
 今はネットで、しかも無料で配信してくれる人がいるのでブートレッガーにお金を払う必要が無くなっただけでも、健全なことのように思う。そういう音源を配信している人というのは大抵同好の志であって、私は英語が得意でないのでダウンロードさせてもらったことに対して簡単なお礼を述べる程度で済ますことが多いのだが、それでも一応コミュニケーションは成立しているし、P2Pが無ければ見ず知らずの外国人とこうしたコミュニケーションを図る機会は生涯訪れなかっただろう。やはりP2Pを一概に悪と決めつけることには賛同できない。
ラモーンズ、レア映像満載のスペシャルDVD 日本盤化!
 ラモーンズの映像作品『Ramones Raw』が日本でもDVD化というお話。発売は来年3月2日予定だというから、まだしばらく先。同じ作品は既に欧米では発売されていて、アマゾンで買える。今なら2,216円だから、日本盤の約半額だ。
 ラモーンズの映像作品は、まもなく日本でも劇場公開される『RAMONES END OF THE CENTRY』というヒストリーものもあって、個人的にはこちらに期待している。