k_turner2004-10-21



ビートルズ キャピトル・アルバム・ボックスの価格比較
 来月発売になるビートルズのキャピトル編集盤ボックスセットの販売価格がぼちぼち明らかになってきた。CCCDの上、1万円(税込)もする国内盤が眼中に無いのはデフォルトなので念のため。ここでは基本的にUS盤での比較。
Amazon.co.jp 7,335円
タワーレコード 7,989円
HMV 7,790円
ディスクユニオン 7,490円(非CCCDEU盤は9,800円)
 いずれも税込み価格。レコファンは相変わらず発売前の新譜の値段を公表していないため不明。それでいて案外一番安かったりするから注意が必要。
 さすがに歳末商戦に向けての目玉アイテムだけあって、各社とも値付けには神経を尖らせているようで、思ったほど大きな違いは無い。この値段ならHMVでダブルポイントデイに買うのが一番賢明か。
 内容に関しては今さら説明の必要は無いだろうけれど、ビートルズの全作品を一通り聴いた人向けであって、逆に言えば説明が必要な人は手を出さない方がよろしい。常々思うのだが、ビートルズがロック、ポップ・ミュージックの歴史において最も大きな存在であり続けるのは、世界中の市場を席巻し、世界規模での音楽産業の構造を確立したからである。その内最も重要なエポックは1964年のアメリカ上陸にあり、その時ビートルズが携えていた商品は米キャピトル編集の『Meet The Beatles』であり、「I Want To Hold Your Hand」であった。決してイギリスオリジナルの『Please Please Me』や『With The Beatles』ではなかったのだ。
 ビートルズの音源がCD化された際、アップルはイギリスオリジナル盤こそがオフィシャル作品であるという方針を打ち出し、キャピトル盤を始め、世界各地でリリースされていた独自の編集盤をオミットしてしまった。単に音源を聴くためにはそれでも良かったのだろうが、歴史的意義を考慮すると、キャピトル盤の存在価値を軽視し過ぎた判断だったと思う。少なくともアメリカ人にとっては英オリジナルフォーマットでのみCDがリリースされたことによって、体験として持っているはずのビートルズ観にいくらか修正が必要になったはずだ。ビートルズの現役当時、『Sgt. Pepper』以前のアルバムは全てアメリカ独自の選曲、曲順、ジャケットで発売されていたのだから。
 よく言われるように、『Pet Sounds』は『Rubber Soul』の、『SMiLE』は『Revolver』への対抗意識を持ってブライアン・ウィルソンが取り組んだものとされている。この時ブライアンが聴いて衝撃を受けたのはやっぱり英オリジナルではなくて、11〜12曲しか入っていないキャピトル編集盤だったのではないかな。実はブライアン本人も既に忘れてしまっていて、この件の真偽は闇の中の話なのだが。
 ビートルズが残した全ての曲を聴くなら、従来のCDでも充分だ。このキャピトル・アルバムのボックスセットは、64年当時のビートルズを知る上での歴史的価値のある資料なのだ。vol.2以降の発売は現在未定らしいが、できることならせめて65年編まではリリースして欲しい。『Beatles' Story』とか、シェルジャケットの『Help!』とか。


動物オリンピック
 全く脈略が無いけど、面白かったのでクリップ。高跳び編が白眉。