談志ごのみの芸人大全vol.1@有楽町よみうりホール

出演は順にテツandトモ、おぎやはぎ、中入り後、アンジャッシュ、爆笑問題。高座を期待していた家元は、高田文夫と司会をしただけだった。
家元は司会を終えると客席へ降りていって、普通に客として見ていた。そもそもが「若いので面白いやつらを見てみたい」と家元が言い出したことで実現した企画らしい。それぞれが20分程度の持ち時間を与えられていたのだが、客席に家元がいる(当日まで知らされてなかったとか)とあって、半端ではない緊張感を漂わせていた。
個人的ベストはおぎやはぎ。生の舞台を見たのは初めてで、テレビとは違う長いネタが、彼らの本領であることを印象付けた。テレビの尺度で納まりきらない芸があるのには好感度アップ。後半の滅茶苦茶なハモリで歌うネタなど、間の取り方から考えてもテレビでは流せそうにない。流せたとしても短縮バージョンにアレンジしなければならないだろう。
テレビとは違う芸という点では他のコンビもそれぞれの特色を出していたとは思う。オリンピックに関連したボヤキを中心に畳み掛けた爆笑問題の時事ネタにしても、豊富な営業経験が感じられるテツandトモの客の掴み方にしても、生の舞台だからこそ伝わるものには違いないのだが、いずれも安定した芸であって上り調子にあるスリルとは異なるものだった。
ネタの内容はさすが家元の前だけあって、各々の最高の持ちネタを出してきたのだと思う。アンジャッシュの「幼なじみの母親と結婚するネタ」と「入試面接をしりとりで答えるネタ」は何度も見たのに必ず笑える、完成度の高さが感じられた。
これだけの面子が揃った舞台はそうそう見られるものではないし、好みの問題は別にしても流石家元のメガネに適うだけの芸人ばかりであった。家元の高座が見られなかったことを除けば(しつこい！)、満足のいく企画だったと思う。