終業後、新宿で取材。経験が乏しいのであまりスムーズには行かなかったけれども、内容としては面白いインタビューになったと思う。掲載は年内には発売されるであろう「Elvis Costello File」(シンコーミュージック)にて。


「着うた」配信制限疑惑、さらに10社に立ち入り検査

 携帯電話の着信音でヒット曲の歌声が流れる「着うた」をめぐり、大手レコード会社が配信会社に曲の使用を不当に制限していた疑惑で、公正取引委員会は27日、独占禁止法違反(不当な取引制限)などの容疑で新たにレコード会社約10社に立ち入り検査した。
 検査を受けたのは「日本クラウン」「ポニーキャニオン」(ともに東京都港区)など約10社。

昨日の続報。業界ぐるみの談合があったことは容易に想像できる。横並び意識が強い業界だし。ところで昨日引用した読売新聞の第一報は、記事部分の引用を削除しました。読売は無断転載禁止だったのを忘れていたよ。
「コピー防止CDは私的複製権を妨害」と、仏EMIに訴訟

 オンラインを介したCDの海賊コピー行為を防止するための技術が、フランスで訴訟に発展している。同国の判事は、レコードレーベルのEMI Groupが採用しているCDコピー防止技術をめぐり、正式な調査を開始した。

 大手CDショップの仏Fnacは8月25日、経済紙『Les Echos』の報道を認め、現在、EMIのフランス支社とともに裁判所の調査を受けていることを明らかにした。

 この訴訟では、フランスの消費者団体UFC-Que Choisirが損害賠償を求め、EMIのコピー防止技術はユーザーがCDの私的複製を作成する権利を妨害していると主張している。フランスの消費者には、1985年の法律でこうした権利が認められている。

 Les Echosによれば、FnacとEMIが敗訴した場合には、損害賠償も含めて最高18万8000ユーロ(約22万7000ドル)の罰金を支払うことになる。また、この問題の影響が及ぶCDすべての販売禁止が命じられる可能性もあり、そうなればEMIにはさらに多くのコストがかかることになる。

 Fnacは声明を発表し、コピー防止機能付きのCDを買った客には既に事情を説明し、影響を被ったユーザーには全額の返金を行なったことを明らかにしている。Fnacは高級品小売り大手Pinault-Printemps-Redouteの1部門。

記事の引用は一部分なので、ぜひリンク先の全文を読んでいただきたい。フランスではCDの私的複製が権利として法律で認められている点が日本と違うので、この裁判の結果が日本のレコード会社に直接影響することは少ないだろうが、動向は注目したい。
コピー盤(いわゆるパイレート盤、ブートレッグとは似て非なるもの)を売って収益を上げている業者は取り締まるべきだと考えているので、市販のCDなどにコピーガードが導入されることは理解できる。しかしそれが私的コピーも認めない、おまけに音質は悪く、再生機器の寿命を縮める可能性まであるような技術は絶対に歓迎できない。一般のユーザーとパイレート業者を同じものとみなしている点で、ユーザーを完全にバカにしてもいる。
すっかりタイミングを逸してしまったのと、途中でバカバカしくなったのでここでは触れてなかったけれども、先日のカーネーションのマネージャー冨永氏の発言(知らない人は検索してみて。山ほど出てくるから)にしてもユーザーを信用していない故の発想にしか思えない。その後掲示板が大荒れになったのも道理。人は信用してくれない人を信用しようとは思わないのだ。
音楽産業もちょっとした規模になってしまって、それによって流通が整備されて本来聴けるはずのなかった遠い国の音楽なども聴けるようになったり、良かったこともたくさんあるのだけれど、昨今は功罪の罪の部分ばかり見えて仕方がない。かと言って作り手と受けての信頼によって成り立つ牧歌的な関係に戻ることも不可能だろうしねえ。
ITmediaでは「特集:私的複製はどこへいく?」という連載企画も始まっている。興味深い記事だ。