Free Music Watchdog 始動



報告が遅くなりましたことお詫びします。同じURLで運営されていた「私たち音楽関係者は、著作権法改定による輸入CD規制に反対します」がリニューアルされ、新たに「Free Music Watchdog : 音楽メディア関係者有志による情報中継所」としてスタートしています。詳細についてはリンク先を参照してください。
ここをご覧の方には耳たこの話かと思いますが、改めて確認。6月に可決成立してしまった改正著作権法によって、来年1月から国内レコードメーカーには輸入権の行使が認められています。ただしこの輸入権は国内メーカーが主にアジア諸国にライセンスを供与し生産されたCDの日本への還流盤を阻止する目的でのみ行使されることになっています。条文では多くの音楽ファンが危惧した欧米を中心とした国からの輸入盤全般にも行使できるとの解釈が可能なまま成立していますが、附帯決議によってそうした運用はなされないことになっています。
ただし附帯決議は野党の賛同を得るために申し訳程度に付加されるという性格のもので、あくまで法的拘束力はなく、実際過去に成立した多くの法律の附帯決議も全く機能していない例がたくさんあります。著作権法も同じ道を歩ませてはなりません。我々音楽ファンの行動によって勝ち取ったと言える附帯決議を有名無実化させないために、不穏な動きがないか監視し、発見した時には声を上げねばなりません。
各種報道で既にご存知でしょうが、エイベックスグループのお家騒動の余波を受けて、日本レコード協会会長でもあった依田巽氏はその職を辞しています。またソニーとBMGの合併によって世界最大の音楽ソフトメーカーが誕生するなど、音楽業界は激動を続けています。一連の動きが音楽ファンの利益を害する(=好きな音楽を楽しむ機会を制限する)方向へ進まないことを願うばかりです。改正著作権法が可決される以前から言っていたことでもありますが、ユーザーである我々が黙って見ているだけでは誰かの思惑通りに事が運んでしまう可能性を高めるだけです。好きな音楽を聴きたいように聴ける、当たり前の世の中を維持していくために必要な行動があるのです。