いま、おもえば、やはり拙劣だったレコード輸入権反対運動
衆議院議員笹山登生氏の掲示板から。今回著作権法改正案が原案通り可決されたことに際し、一連の反対運動に対して批評している。要約すれば民主党にだけ肩入れするようなやり方では政策実現の可能性は極めて低く、原案通り可決という最悪の結果を招いたのはこの運動のあり方が間違っていた証拠だとしている。別の書き込みでは「結局、反対運動も、結果を出さなければならないという、ゼロサムゲームである」という発言もある。
確かにテクニックとしては与党を巻き込んだロビー活動をうまく進めることが政策実現への近道なのだろうし、今回の件で言えばまさにレコード協会はその方法で輸入権の創設に成功したのだ。しかし仮に反対派が政治的テクニックに長けたやり方で対抗したとしたら、笹山先生の言う「無垢なリスナー」たちの関心はここまで高まっただろうか。政治のプロから言わせれば愚鈍でしかないやり方だったからこそ伝わりやすく、危機意識を持った側面は否定できないだろう。署名に応じた57,000人や、署名こそしなかったものの反対の意見を持っていた無数の人たちが全て同じ考えだとは言わないが、これだけの人が立法の動向を注視した現実は無意味だとは思えない。具体的には次の選挙に反映させるのもひとつのあり方だし、Winny開発者の47氏のような行動だってひとつのあり方だと考える。法に触れるやり方はあまり賢くないとはいえ。
そんなことを考えていたら、こんな活動が目に入った。
輸入盤CD規制反対大暴動in新宿
貧乏人大反乱集団なる団体が画策しているデモである。この貧乏人大反乱集団、「我々は働いても貧乏人、働かなくても貧乏人、街をうろちょろするとよけい貧乏になるという!!どうなってんだこりゃ!!「マトモ」に生きようとしても何もいいことがないじゃねえか、この野郎!!!」と現代社会に激しい怒りを抱いており、「我々貧乏人の恐ろしさを知らしめてやらねばならない!!」と決起、「街にはびこる、訳の分からん「秩序」を一挙に蹴散らし、貧乏人、大バカ者、変人などがゾロゾロゾロゾロうろつきまくる状態に持ち込み、まさに街頭を我々で“占拠”してやろう!」と企んでいる。これまでの活動報告を見てもらえればわかるように、都内各所で数年前からゲリラ的なテロ行為に及んでいる。ただし使われている写真は一部捏造の疑いあり(笑)。今回企画されている大暴動もその延長にあり、ほとんど一揆である。
プロフェッショナルな政治活動と、こんな原始的でアホな活動とどちらに共感するかと言えばぜーーーーったいに後者。やっぱりクラッシュなんか聴いてここまで来てしまった以上、負け戦だと分かっていても突っ込んでいかねばならないメンタリティーがあるわけだ。永田町のセンセイ方は「無垢なリスナー」を怒らせると怖いなんて微塵も感じていないだろうが。祭りとまつりごとは本来同じだったのにね。