six「LHBB」release party!!@新宿Red Cloth


  • THE FEMININE

 女の子3名に加え、メンバーにゴリラがいる時点でクレイジーさといかがわしさが満点だ。音の方も正統派のガレージで○。ジェリー・リー・ルイスとかリトル・リチャードなんかの黒いのと白いのが入り混じった曲を多く取り上げるセンスも見上げたもの。「Breathless」とか「Hey, Hey, Hey, Hey」とか、生前のジョン・レノンが聴いたら喜ぶだろうなあ。ドン&デューイの「Justine」なんてのもやっていた。Specialityフリークか。

 ゴリラの鍵盤さばきと、ヴォーカルの子のギターが上手いのでまた驚愕。あとはドラムがもう少しがんばってくれれば。でもバンド自体は若きゴロッパという感じで、おじさんは大変気に入りました。

 6月に発売になったセカンド『ROAD TO BETHEL』が期待以上に素晴らしい出来栄えで、これはライヴを見に行かねばと思いつつも、東京でのライヴが少ないぞーと文句を言ってる間に月日は流れ早8月。やっとの思いで本懐を遂げた。


 『ROAD TO BETHEL』はいきなり1曲目から「Hoochie Coochie Man」なんて入っていて、全体的にブルージーな仕上がりだったので、ブルース・バンドに変身かと思いきや、ライヴの方はファーストの軽快な曲と半々ぐらいで、極端な変化は無し。しかしその分DIESEL ANNというバンドの本領がバランスよく発揮された印象だった。

 これほどロックらしいロックをやるバンドって、今や案外貴重だったりする。DIESEL ANNはジャンル分けに埋没するような逃げの姿勢は見せないし、「ロックだから」の大義名分をかざした言い訳もしない。ただオリジナルな良い曲を書いて、良い演奏をすれば即ちそれがDIESEL ANNの音楽になるとでも言いたげだ。実に素晴らしい。

 で、また本当に演奏が上手いのだ。ギターとベースのアンサンブルは高度な漫才のように息がぴったりで、それを煽るようにドラムが鋭角的に切り込んでくる。タケ氏はChocolatesでも叩いているけれど、Chocolatesの時より忙しそうな印象。あれ位叩き続けなければフロントの2人に負けてしまうのではないかな。もちろんタエコのシャウトに張り合うには、相当強力なドラムが必要なのだが。

 タエコさんのヴォーカルは以前よりさらにパワー・アップしたみたいで、カーリーヘアーを振り乱しながら歌うその姿は、血圧が上がり過ぎて死んでしまうのではないかと心配になるほどだ。本当に見に来て良かった。DIESEL ANNは今世界中でも屈指のロックンロール・バンドのひとつだと断言したい。

  • THE PRISONER

 初見。巨漢のヴォーカル氏とギター×2、ベース、ドラム、キーボードにコーラス嬢までいる大所帯で、何をやらかすのかと見ていたら、まずファンキーなソウル・ナンバーで始まったので、ああなるほどと思っていたら、途中からブルースやら80年代調のポップ・ナンバーやら飛び出すので、混乱してきた。Eddie & The Hot Rodsの「Do Anything You Wanna Do」なんてのもやってたなあ。

 散漫な印象は受けたけれども、演奏は巧み、というより上手すぎないか。どうしてこんなに大勢がジャストで合うのだ。
 この日の出演者の中では異色だったので、場に馴染むまで時間はかかったけれど、演奏力をもってねじ伏せた感じ。向かって右側の人のグレッチが良い音だった。

  • six

 実はこの日はsixのレコ発イベントだった。sixを見るのは3年ぶりぐらいかな。その間にギタリストが交代していた。

 sixはガレージというよりもGSに近い感触があるサウンドで、さらに女の子女の子したスタイリッシュなセンスが加わっているのが特徴。pebblesよりは、やっぱりsazanamiあたりが似合うのだな。良くも悪くも。まあ所属はSEEZなのだが。

 ワイルド&イノセントで凶悪なバンドを好む性質である私からすると、ストライクゾーンのど真ん中とは言い難い面はあるものの、めでたいレコ発ということもありゲスト多数で、イベントのタイトル通りパーティーの様相の楽しいライヴだった。こういう時にガタガタ言うのは野暮というもので、単純に楽しめたのだから良いイベントだったのだ。




 ギター嬢の弾くヤマハのSGがやたらとかっこよくて、10数年ぶりぐらいにギターが欲しくなってしまった。SG(弾いていたのは多分SG-3000)なんてとても手が出ないし、宝の持ち腐れでしかないけれど、この日以来ヤフオクや楽器屋のサイトを見てはため息を吐いています。