81年のライヴ映像



81年1月16日ミネアポリスでのライヴ映像
 YouTubeで見つけた。『Trust』の発売に伴うアメリカ・ツアーからで、同公演会場にいたファンが8ミリカメラで撮影したものらしい。
 曲は「Little Sister」「You Belong To Me」「Watching The Detectives」の3曲。「Detectives」はスティーヴィー・ワンダーの「Master Blaster」とのメドレーになっている。
 3曲といってもいずれも断片しか入っていないし、画質、音質とも決して良好とは言えない。少しピッチも速いようだ。しかし内容の貴重さと誰もが手軽に見ることができる点は高く評価したい。選曲、アレンジはこの時期特有のものであることに加え、茶色のサングラスや蝶ネクタイもこの時期ならでは。よくぞ撮っていてくれたと思う。本当にこれだけしか残っていないのか、或いはもっと長い素材があって、そこから編集したものなのかは不明だが、このクオリティであれば従来ならブートとしても流通するには厳しいレベルであって、それはつまり撮影者以外のファンの目に触れる機会はほとんどなかったはずの映像だということだ。それが今やネットを通じて簡単に、しかもブートレガーにお金を払うことなく見ることができるのだから、ありがたい。
 YouTubeにアップされている映像は、そのほとんどが法的にはグレイからブラックに該当するものばかりだが、意外に規制が進まない(全く規制されていないわけではないらしい)背景には、YouTubeが持つ技術の高さと人気に理由があるようだ。その辺の話は「音楽配信メモ」でも触れられていたし、興味のある向きは色々検索して調べてみれば良いが、要するに一般ユーザーが映像を簡単にアップロードできて、そこそこのクオリティで配信でき、これだけ人気を集めている現実がある以上、法を盾に規制するよりは、権利者側と合意できる着地点を見つけて合法的に運営していけるようにした方が双方のメリットに適うだろうという発想があるわけだ。極めて建設的で、合理的だ。すぐに「禁止だ」「金払え」と言い出す日本ではまず考えられないね。