欠伸している神に祈るより 何も知らない俺でいたい

k_turner2005-09-12



 あ〜〜〜、気分ワルッ!
 昨夜8時頃からずっとこの気分は変わらない。何ですか、「自民圧勝」って。そんな言葉がまだ存在したとは、ついぞ知らなかった。
 投票率が上がっているのに自民支持が伸びたことが不可解だ。郵政民営化ってそれほど大事なことでしょうか。いろいろ調べてみても、郵政が民営化されることで国民にどんなメリットがあるのかまるで分からない。もしかしてIQが低いのは私の方なのか。
 ここぞとばかりに御用新聞は書き立てる

なぜ、「小泉自民党」は無党派層に受け入れられたのか――。推計投票率が67%を超えた今回の衆院選東京都区部の投票所10か所で、前回(2003年11月)は自民党に投票せず、今回は同党を支持したという計20人にアンケート調査した。
 このうち「前回は民主党」と答えたのは17人。大半が、小泉首相の政治姿勢に「力強さ」を感じたことをあげ、「郵政以外の改革も進むはずだから」という回答も少なくなかった。
 「郵政民営化は関心がない。小泉さんが頑張ろうとしている姿にひかれた」
 前回、民主党に投票したという文京区のパート従業員の女性(45)は今回、自民党支持に回った理由をそう語った。
 本当に関心があるのは「年金問題」。各党には、将来までしっかり年金を受け取れるというビジョンを示してほしかった。
 だが、年金一元化を掲げた民主党岡田代表の言葉は力がなく、期待感も持てなかった。前回、民主党に入れたのは、自民党は、派閥のリーダーの意見で党の方針が決められている印象だったから。
 「それが小泉さんの登場で変わってきたと感じた」
 その変化の兆しに賭けることにしたのだという。
 江戸川区の男性会社員(45)も、最大の課題として「年金改革」をあげた。しかし、投票したのは前回の民主党ではなく自民党。理由は、「小泉首相に今までの自民党総裁とは違う決断力を感じた。保守的というイメージが変わったから」。郵政民営化が実現すれば、ほかの改革も進むのでは、という期待を感じている。
 同じく自民党支持に転じた中央区の主婦(78)は「民主党年金問題などで言っていることは良いが、実行できるか疑問」と話し、こう続けた。
 「小泉さんは、郵政民営化を断固やり遂げるという姿勢がはっきりしていた。『刺客』を送り込む手法も政策のためには仕方ない」
 一方、政治に関心が薄いとされる若い世代は、郵政民営化問題をきっかけに「選挙に興味を持った」という答えが目立った。
 江東区内の自営業の男性(30)は「これまで投票したことがなかったが、選挙のことが騒がれて関心を持った。民主党がダメだというのではなく、郵政民営化に賛成だから」。
 数年前から株式投資を始めているという千代田区の男性会社員(26)の理由は、もっと明快だった。「自民党に入れた理由はただひとつ。郵政民営化を早く実現してほしいから。民営化すれば株式市場も活性化する。私の1票を力にしたい」

 たった20人のアンケートをあたかも国民の総意のように報道する姿勢が何とも素晴らしい。ただいずれにしても政策そのものより、小泉のイメージが支持された結果であることがこのアンケートから見えてくる。一番の関心事である年金問題がどうなるのか分からないのに、郵政民営化という何の関係があるのかよく分からないことを断行する姿勢のみが買われたのだ。
 郵政民営化が実現すれば株式市場が活性化すると言っている千代田区の男性会社員(26)よ、その風が吹けば桶屋が儲かる式の理屈を誰にも分かるように開陳して欲しい。
 もうひとつの御用新聞はこう来た

 日本の政治は大きく変わった。そのダイナミズムを考えると、革命的といっていい。
 国会が否定した政策を問う衆院選は初めてであり、自民党が反対派を徹底的に排除したのも初めて。それが有権者の圧倒的支持を得たのもまた初めてである。
 小泉純一郎首相(自民党総裁)の堂々たる勝利。正面からぶつかり、相手に反撃のすきを与えずに、そのまま一気に押し出す−。相撲でいうと「電車道」という勝ち方だそうだ。衆院解散当日八月八日夜の記者会見や選挙戦最中の街頭演説で、多くの人が感じたであろう首相の「気」が有権者を最後までひきつけた結果であり、自民党の歴史的大勝といえる。
 分かりやすいテーマ設定と有権者の「改革」への期待、民主党の対応の不手際と岡田克也代表の宣伝能力不足…。自民圧勝の原因を考えると、そういうことになるのかもしれない。最大の理由は首相が総裁選公約通り「自民党をぶっ壊した」ことへの評価ではないか。自らの一票が政治を変えることにつながるという期待は、「どうせ政治は変わらない」と閉塞(へいそく)感にとらわれていた有権者を動かした。「改革を止めるな。」という自民党のスローガンもはっきりとしたメッセージになった。
 もちろん、一部の自民党地方組織は、党本部の決定に反して非公認の郵政反対派を支援した。また、すべての選挙区で、自民党が政党中心・政策本位の選挙戦を展開したかというと、必ずしもそうではない。党本部から届けられたマニフェスト政権公約)を選挙事務所に積んだままにして、ひたすら地元への貢献をアピールして当選を果たした旧来型の候補者が大勢いるのも事実だ。
 しかし、有権者が選択したのは政治が変わることだった。今回の選挙を通じて、自民党はかつての「利益誘導、地域代表」政党から「国益優先、国民代表」政党へと脱皮し始めた。自民党の各候補者・陣営より、有権者の方が首相の「特定勢力の意見ばかりを聞いていて改革ができるのか」という主張に共鳴した。自民党郵政民営化を、民主党年金一元化子育て支援を訴え、力点は異なったが、互いに「改革」を前面に出し、衆院小選挙区制が導入されて以来初めてと言っていいほど、政党中心・政策本位の選挙戦となった。
 マスコミ各社の事前の世論調査と現実の投票結果が大きく違わなかったのも、有権者が安易なムードやバランス感覚で一票を行使しなかったことを裏付けている。
 政治を変えようという有権者の意思が示された以上、地方組織・議員を含めて政党と政治家がその意思を無視するわけにはいかない。自民党はいうまでもなく、民主党も今回の国民の選択がどういう意味を持つのかをきちんと分析して政権の運営、国会での論戦に取り組むべきだ。
 自公両党がマニフェストのトップに掲げた郵政民営化関連法案の特別国会成立は、反対した参院自民党議員が態度変更を表明しており、すでに確実な情勢となっている。
 首相が問われるのは、郵政民営化に続いて何をやるのかだ。待ったなしの状況にある財政構造改革をめぐって、自民党マニフェストは歳出改革の柱に「国家公務員の純減などによる総人件費の削減」を据えた。だが、歳入面の改革については「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する」とあるものの、首相は自らの任期中は消費税率を引き上げないと明言している。
 郵政民営化法案の審議を通じて小泉首相の説明責任が指摘された。「なぜ郵政公社を民営化しなければならないか」の説明が不足していたという批判である。首相が本当の意味で「わかりやすい政治」を目指し、政治をさらに国民の身近なものに変えようとするなら、政策遂行にあたって、自らの考えを、自らの言葉で明確にしなければならない。
 「小泉劇場」の幕は下りた。首相は選挙戦最後の街頭演説を「有権者の声で国政を変えられる大事な選挙だ」という言葉で締めくくったが、今回の選挙で有権者が行った歴史的な選択の重みに正面から応え、真摯(しんし)な態度で政権を運営していくことが求められる。(政治部長 関田伸雄)

 『「改革を止めるな。」という自民党のスローガンもはっきりとしたメッセージになった。』はぁ、そうですか。小泉のやり方が本当の意味でわかりやすい政治でないことを認めながら、何故そこまで言い切れるのかな。
 勝てば官軍。何とでも言える。


 現実問題として、この先起こりうることを想像するに、まず郵政民営化法案が可決成立することは間違いない。識者の発言を聞いていると、早ければ来月中には成立するのだとか。今回の選挙で国民の信任が得られたのだから、それは当然だろう。先に述べたように民営化したところでどんなメリットがあるのか、私には分からないが。
 さて、その後は何がどうなる?100年安心と言われる年金制度は既に事実上破綻している。年金を払わない若年層が減る要素は全く見つからない。最後のベビーブーム世代である団塊ジュニアたちが結婚する年齢に達しているのに、少子化傾向に全く歯止めがかかっていない。小泉の任期中は上げないと約束している消費税も、2〜3年先には10%、下手すると15%に上がることだろう。医療負担だって増えるだろうし、給与所得者の各種控除は縮小されて年末調整の還付も無くなるかもしれない。
 それでも暮らせと(暗黙のうちに)言っていた小泉を国民は信任したのだから、少なくとも自民に投票した人は文句を言ってはいけない。自分の方針に従わない者はどんな手を使っても排斥するのが小泉流。それともまさか自分が八代英太になるとは想像できなかったとか?もう遅いよ。