『Breathe』スペシャルサイトがオープン
 3/30に発売になるUAのニューアルバム『Breathe』の専用サイトが出来ていた。ここでアルバム全曲のクレジットが公開されている。驚いたことに、今回は全曲の作曲もしくはアレンジで内橋和久のクレジットがある。従来1枚のアルバムにおいて複数の作家による曲を取り上げていたUAとしては初のことだ。また演奏面においても内橋和久が大きな役割を果たしていることがクレジットから読み取れる。
 同サイトに掲載されている野田努によるインタビューでも当然この点は触れられているが、UAは内橋に全幅の信頼を寄せているようだ。シンガーであるが故、プロデューサーやアレンジャーによって音に変化が現れるのは当然であり、初期の頃は1枚のアルバムの中で様々な表情を見せるのがUAの特徴でもあったのだが、『泥棒』以降、音のコンセプトや傾向において統一感が重視されるようになったのは事実だ。かつての八方美人的振る舞いはそれはそれで意味のあるものであったけれども、最近は極力装飾を廃し、一方向にのみ向かいながら、一歌い手に留まらないアーティストとしての内面的な世界観をダイレクトに表現する欲求が高まっているように感じられる。
 現時点においてその帰結と言えるのが内橋和久とのコラボレーションということになろうかと思う。それが成功しているかどうかは実際に聴いてみなければ分からないことで、発売日が待ち遠しい限りである。指折り数えて新作の発売日が待てるアーティストは他にちょっと考えられない。