志の輔らくご新古典の世界@渋谷 パルコ劇場



 エルヴィス・コステロの来日中、しかもその他にも諸々立て込んでいる時期に落語を聞きに行くこともあるまいと我ながら思った。しかし仕事の都合でエルヴィス@大阪へ行けないことが分かった11月上旬の時点で、悔しさのあまりチケットを取ってしまったのだ。別に何でも良かったわけではなくて、立川志の輔は5月にも見に行こうと思っていたのに、事情により買っていたチケットを無駄にしてしまった経緯があったので、ぜひ見たかった。今年で9年目になるパルコ劇場公演も一度見たいと思っていたし。
 演目は

こぶ取り爺さん」(新作)
歓喜の歌」(新作)
 中入り
「浜野矩随」(古典)

 内容はここの劇場探訪記さんのところに詳しい。15分間の中入りを除いても実質2時間半の長丁場で、終演は10時近かったのだが、最初から最後まで集中力を持続させられた芸はさすが。本人自ら「落語でどこまでできるかの実験の場」と位置付けるこのパルコ劇場シリーズだけに、セットも演目も、一般的にイメージされる落語会のそれとは趣を異にする。落語が古典芸能の枠に収まり切らない、現代のエンターテイメントであることを実証していたと思う。こういう噺家があと5〜6人出てくると、落語そのもののイメージも変わると思うのだが。