The Beach Boys / Sights and Sounds of Summer

Sights & Sounds of Summer (W/Dvd)
暑い日が続いているので、という不純かつ正直な理由でビーチボーイズが聴きたくなった。ところが我が家にあった10数枚のビーチボーイズのレコード、CDは全て春に売ってしまっていたのだ。仕方がないのでショップへ行ってDVDも付いて手ごろな値段だったこのベスト盤を購入。とりあえずヒット曲だけ聴ければ良かったし。
ビーチボーイズをまともに聴くのは10年以上ぶりだと思う。その間に発売された各種リマスター盤は耳にしていなかったので、このベストの音の良さにはぶったまげた。技術の進歩とは素晴らしい。おまけにミックス違いも多数収録されていて、昔一番聴いていた東芝EMI(東芝音楽工業時代だったかもしれない)編集の2枚組ベストアルバムに馴染んだ耳には新曲のように聴こえる。確か66〜67年頃までビーチボーイズのレコーディングはモノで行われていたので、東芝が好んで発売していたステレオ盤は全て擬似ステレオだったのだ。このベストに収められている初期のヒット曲の大半はオリジナル通りのモノミックス。擬似ステレオではリードヴォーカルの奥に引っ込んでいたコーラスパートがぐいっと前に出た印象で、リマスターによってメリハリも利いているので、コーラスワークが細部にわたるまではっきりと聴き取れる。これがもう腰砕けになるほど素晴らしいのだ。
ビーチボーイズが初期の段階からコーラスグループとして高度なテクニックを持っていたとはよく言われることではあるが、オリジナルのモノミックスを聴いて改めてそれを思い知らされた。昔の人って偉大だね。
もうひとつ驚いたのが、初期のヒット曲はほとんど歌えるということだ。自分としてはそれほどビーチボーイズに熱を上げていた記憶は無かったのだが、歌詞まで覚えているということは相当聴き込んだに違いない。尤もよく聴いていたのは10代後半から20歳前後の頃の話なので、今よりは記憶が残りやすかったということもあると思うが。
選曲については文句を言い出せばキリが無い。しかしビーチボーイズを知るための必要最低限の30曲としては妥当なところだろう。逆に言えばここに入ってる曲ぐらい知っているのが音楽ファンの最低のたしなみみたいなものだ。言うまでもなく名曲だらけ。「Don't Worry Baby」の美しさには思わず(ノД`)・゜・。