私の職場のある池袋のメインストリートであるサンシャイン通りには地下鉄の通気口が何箇所かあるのをご存知だろうか。今日の仕事の帰り道のこと、私の4〜5メートル前を歩いていた制服姿の女子高生2人組がその通気口の上を通りかかった瞬間、マリリン・モンローよろしくスカートがふわぁ〜〜〜とめくれ上がり、何だその〜、おパンツがお丸見えにおなりあそばされました。


何も私はルポルタージュ・ニッポンを伝えたいのではない。本来ならば感動の名場面であるその瞬間、私は反射的に「あ〜あ、かわいそうに」と思ったのだ。ショックだった。あのな、わし、ちょっとは喜べよ。何も声高らかに万歳三唱しろとは言わない。そんなことをしたら異常に危ない人だ。そうまでしなくとも、表情には出さない程度にほくそ笑んだらどうなんだ。心の中でガッツポーズのひとつぐらい作っても罰は当たらないだろう。いや、むしろそれが人間ぞ。それが男ぞ。


「嬉しいことがあったらいちいち噛みしめることが幸福への第一歩である」とはさくらももこの名言であるが、私には噛みしめるべき喜びを感じることすら既に出来なくなっているのではないかと山手線に乗りながら落ち込んだ次第。私には幸福の二文字は永遠に訪れないのかもしれない。思い出して無理矢理喜びに変換してみようかとも思ったが、もはやディティールが思い出せない。好機を逸してはいけないのだなあ。「この世でいちばん肝心なのは素敵なタイミング」とは坂本九の名言である。