MAMORU & THE DAViES@高円寺Jirokichi



 MAMORU & THE DAViESの久しぶりのワンマン・ライヴ。この日をもってドラムの岡部君が脱退してしまう。実は私は9月に発売予定のMAMORU & THE DViESのアルバムで、ジャケット写真を担当させていただくことになっており、今のメンバーが揃う恐らく最後の機会になるので、リハーサルから撮影させてもらうことにした。ジャケットは改めて別の日に撮影することになっているが、4人揃った写真もどこかで使いたいので。

 ジロキチはステージと客席に明確な区分けが無く、高さも同じ。実際にお客さんが入る時は椅子とテーブルが適当に並べられるため、撮影ポジションの確保が難しい。リハの段階では椅子やテーブルは片付けられたままなので、思いっきり自由に撮影できた。この日のために購入した三脚を使い、普段のライヴ中には使うことのないシャッター速度で撮ってみたりと、かなり実験的なこともやってみた。仕上がりがどうなっているのかは現像するまで分からないが。

 リハは既に決定済みだったセットリストに従って、部分的に確認しながら進められていた。1曲をフルに演奏することはほとんど無く、スタートのタイミングだったり、曲中の一部分だったりをお浚い。リーダーシップを取っているのはもちろんワタナベマモル氏で、マモさんが「ここはこうで」と言えばメンバーはすぐさま合わせるし、メンバーから疑問が発せられればマモさんがすぐに決定を下す。バンドの結束の固さと、演奏力の高さを実感した。

 1時間半ほどに亘ったリハが終わったところで、ちょうど夕暮れ時の光線が美しい時間帯だったため、環七に架かる歩道橋まで出向いてメンバー写真を撮影。

 そこで私の仕事は一旦終わり。しばらく待って開場時間になったので、客として入場。予想通り椅子やテーブルが並べられた客席は移動が困難だった。ライヴは自分の座席からのみ撮影することに。アングルのバリエーションが付けられないので、諦めてライヴを楽しむことを優先した。
 昨年8月にここで行われたワンマンの時と同様、ライヴは2部構成で。レコーディングを終えたばかりのせいか、ここ最近のDAViESの演奏は本当に素晴らしい。バンドとしては月に2〜3回しかライヴを行っていないながらも、ライヴバンドとして非常にまとまっている。マモル氏のヴォーカルが冴えている上に、各メンバーが細かいオカズを入れたりして、適度に遊びの部分を混ぜてくることで、よりグルーヴが強まる。演奏していることが実に楽しそうだ。

 マモさん自身も曲間で「気持ちいいなあ〜」を連発。長丁場のライヴだと途中疲れからだれてしまうこともままある人なのだが、この日は全編通して溌剌とした演奏が聴けた。ビートルズと同じ編成で、ロック・バンドとしてもシンプルであることは間違いない。加えて曲も簡素なものが多いだけに、長時間飽きもさせずに客を楽しませ続ける手腕には改めて感動する。単にエンターテイメントする技術を持っているだけではなく、根っからのロックンロールの信奉者であることも大きいだろう。確信を持って歌っていなければ、ここまで楽しめるはずがない。

 昨年の傑作『ヒコーキもしくは青春時代』からの曲を中心に、古い曲も未発売の新曲も取り混ぜての選曲も良し。新曲の出来がまた良く、本当に好調なのだなあと思わせた。レコーディングはまだヴォーカル録りや一部オーヴァーダブが残っているようで、完成までにはもう少し時間がかかりそうだが、早く聴かせてもらいたいものだ。
 岡部君のラスト・ライヴだからといって特別な趣向は無く、普段と変わらない素っ気無さがこの人たちらしい。脱退が公表されたのも、このライヴの翌日のこと。バンドとして非常に良い状態にあったので、この編成でのDAViESが見られなくなることは惜しまれるが、この淡々とした感じが今のDAViESなのだろうな。肩肘を張らずにただロックとロールが続いていくのだ。ともあれ岡部君はお疲れ様でした。

MAMORU & THE DAViES セットリスト

  • 第一部

リンクレイ
落ち着ける場所
オイラの部屋へおいでよ
恋をしようよ
プリティーでGO
この胸のざわめきは何だ
荒川へ行こう
ふたりで歩いた
炎のパブロッカー
ヘイ!キャデラック
期待はずれ

  • 第二部

今週週末来週世紀末
間がもたねえんだ
ノーテンキ
ウォンチューな夜
あの娘が知ってる
スキンシップは特効薬
けだるい午後のポーカーフェイス
ゆるい世の中
想像しよう
ヒットパレード
ヒッピーマン

 いただいたセット表による。この後アンコールが2回、計5曲ほどあった。「キャデラック2号」と「ヒコーキもしくは青春時代」と後は何だったかな。


【5/10写真追加】
 文中にもあるように、この日撮影した写真は新しいCDで使われるかもしれないので、あまり多くは公開できない。これは使われないだろうなと思われるものだけ少しご覧に入れます。