パブロックミーティング@下北沢CLUB251



会場に着いたのは8時間近。久しぶりに来た251の入り口を開けたら人がみっしり入っていて驚く。ステージではスマイリー原島率いるCONNECTIONSが演奏中。このバンドは数年前のリー・ブリロー・メモリアルのイベントでも見たことがある。山川ノリオとか岡本雅彦とか普段は各自が別のバンドで活動しているメンバーで構成されたいわば趣味のバンドなので、良く言えばリラックスした、悪く言えば緊張感の無い演奏。しかしスプリングスティーンストーンズの曲をまったりと聴かせるその様はまさにパブ・バンドの真髄でもあるんだよな。

プライベーツの延原達治のDJを挟んでRADIO CAROLINE。パッチ(ex.ギョガンレンズ)、ウエノコウジ(ex.michelle gun elephant)、Mr. Sheen(ex.ニートビーツ)で結成された下北ガレージ系のスーパーバンド。ミッシェル解散前から時々ライヴをやっていたようだが、私は初めて見た。トリオであること、ヴォーカルがパッチであることからどうしてもギョガンがダブって見える。最後に演奏した「ルート66」以外はオリジナルの新曲と思われるが、曲はパッチが書いているのだろう、どれもギョガン時代の曲と曲調が似ている。左右のマイクスタンドを行き来したり、モニタースピーカーに乗って客を煽るパッチのステージアクションもギョガンの頃から変わっていない。対するウエノはヒロキングほどは激しく動き回らないので少しおとなしめのギョガンレンズという感じ。しかしパッチはしばらく見ないうちに老けたなあ。ミュージシャンとしては3人とも基本が出来ている人達なのでグルーヴはあるし、ライヴはすこぶる楽しい。尤もそれもライヴハウスのサイズだから楽しいのであって、実にパブな佇まいだよなあと思っていたら、「来週ビデオが出ますのでよろしく」とパッチ。う〜む、片手間ではなくてパーマネントな活動をやっていくつもりなのだろうか。しかしビデオって…、プッ。

スマイリー原島のDJ(というより漫談)を挟んでトリはワタナベマモル&デイヴィーズ。デイヴィーズを名乗っていても現在ドラムが欠けているそうで、パーカッションとベースだけ従えてマモルがギターを弾きながら歌うスタイル。バックの2人は座ったままの演奏で、こじんまりと歌を聴かせるサウンドは先ほどのRADIO CAROLINEに比べると明らかに地味。本人は「くだらないと思ったら帰ってください」なんて卑下していたけれども、元々シンガーソングライター風の曲が多い人であるし、違和感はなかった。1曲目の泉谷しげるのカヴァー(しかも「ねどこのせれなあで」!!)が妙にはまり過ぎで、まさか枯れた芸風で売っていくつもりでは…と多少不安になった。今更ポップスターの座に着くとも思えないけれど、リリカルな表現にはまだまだ冴えが感じられるしフェードアウトしない程度に演奏を続けてもらいたいものだ。ワタナベマモルの演奏が始まる頃には観客が半分近くまで減ってしまっていたのは残念。ウエノ目当てのギャル(笑)達には飛び跳ねて踊るだけが音楽の楽しみ方ではないことが伝わらなかったのか。或いはマモルが出てきたのがが10時過ぎと遅かったので電車が無くなるからと泣く泣く帰ったのか。後者であってほしいのだが。