Lou Reed@新宿厚生年金会館



今回はドラム・レスということでどうなることかと思っていたが、案外オーソドックスな内容だった。完全にアコースティックという訳でもなく、フェルナンド・ソーンダースがドラム・シンセを叩く曲が全体の3分の1ぐらいはあった。もちろんチェロやサブ・ヴォーカリストを入れた編成は過去には無かったもので、それぞれソロでの見せ場も用意されてはいたものの、主役はもちろんルー御大であってちょっと変わった趣向でやってみましたといったところだろう。御大は鍛え上げられた肉体を誇示するようにTシャツ姿で、相変わらず声もよく出ていて、少なくともステージに立っている間は年齢を全く感じさせなかったのはさすが。ところがギターを置いてステージ袖に引っ込む時、また出てくる時などはよちよちと老人っぽい動きで笑ってしまうと同時にちょっとホッとした。やっぱり61歳らしい部分もあるのだと。


フェルナンドが歌ったり、太極拳ダンサーが登場したり、余興に凝った分、今回は曲目が大サービス。「SWEET JANE」に始まり、ヴェルヴェッツ・ナンバーも何曲も出てくるし、アンコールでは「CANDY SAYS」(Anthony sings)「WALK ON THE WILD SIDE」までやってくれたら文句は言えないだろう。前回ツアーを上回る感動には至らなかったものの、2時間半を越える濃いステージは充分満足できるものだった。